アパレル販売職の採用業務を通して見えるあれやこれやについて書いてます。

〜アパレル採用担当の窓口から〜

アパレル販売職の採用業務を通して見えるあれやこれや

「学校の勉強なんて社会に出て何の役にも立たない」なんて悲しいこと言うなよ

アパレル販売職の皆さん、その他サービス業の皆さん、連勤お疲れ様です。自分は風邪を患ってしまい、皆さんのサービスを堪能するどころか自宅にこもる日々です…

 

なんか最近ツイッタランドの一部でまたぞろ話題になっていますね。
www.nikkei.com

 

以前のエントリーで労働観について書きました。

「ゆるふわ労働観」について①~「しょうらいのゆめ」とキャリア教育から~ - 〜アパレル採用担当の窓口から〜

アカデミズムを批判するつもりは全くなく、勤労は「自分の人生を主体的に生きる」手段の一つだよ、そこは教えていこうよ、ということを書いています。

そこでは労働市場において即戦力になる実学を教える必要は全くないでしょう。むしろ就職してその先何十年と続く勤労の場において大事なのは、学び続けること、自分をアップデートしていくことです。その能力をアカデミックな場で培えば良いのではないでしょうか。

学校での勉強なんて社会に出て何の役にも立たない、などと嘯いている学生を底上げすることに力を入れろ、と思います。目の前のことに対応できない奴が社会に出て役に立つと思うなよ?

 

とは言え人間向き不向きがあるので、そこは柔軟な環境を用意する必要があります。様々な学科があるのはその一つですし、脳のクセ(いわゆる「発達障害」)に応じた学習環境もこれからもっと整備されていくでしょう(と、思いたい)。

 

どの職業にも科学的、数学的な見地が必要です。例えその成績が芳しくなくても考え方をある程度構築できるのは、ものすごく役に立ちます。それはアパレル販売職でも同じです。考え方さえきちんと整理されていたら、むしろ仕事の場面での問題の方が学校のテストよりシンプルに感じるくらい。

実際に弊社のスタッフを見てみると、考え方が整理されてなくて、考えなくても良い余計なことに手を出して効率を悪化させているな、遠回りしているな、と感じることしばし。もったいない。

 

ところで服飾系専門学校ではアパレル販売職コースみたいなものがありますが、あれですか?入社してすぐに誰にも教わらずに接客8大用語言えちゃう感じっすか?洗濯表示とかすぐ説明できる感じっすか?ブランドイメージをすぐに体現できちゃう感じっすか?

まあそれはそれでアリっちゃアリでしょうけど、ガチガチに表層だけ固められると実際OJTの場面で双方しんどくなりそう。資格が必要ない仕事なので柔軟さの方がきっと大事。

あ、でも小売の仕組みを学べる販売士の試験は受けてもいいと思うよ。何ならテキストを読んで理解するだけでもいい。それだけで仕事の見え方がぐっと多角的になるよ。見え方が多角的になるということは選択肢が増えるってことだよ。

 

アカデミックな教育課程に偏りがちな大学を変革し、産業界が求める「即戦力」となる人材を育てるのが狙い。 

 

「学校の勉強なんて社会に出て何の役にも立たない」なんて、悲しいこと言うなよ産業界。