アパレル販売職の採用業務を通して見えるあれやこれやについて書いてます。

〜アパレル採用担当の窓口から〜

アパレル販売職の採用業務を通して見えるあれやこれや

コミュニケーション能力とアパレル販売職②

続きです。

接客に関するコミュニケーションについてですが、コミュニケーションを「さまざまな情報内容を、さまざまな手段で、伝え合うこと」と定義して話を進めますね。

 

接客の仕事でお客様へ伝えるべき情報って何でしょう。商品について?素材について?トレンドについて?

様々あると思いますが、それらは何が何でも伝えなきゃいけないものでしょうか?接客の際のセールストークとして、お客様がその商品を身につけるメリットをお伝えする際に添えるものであって最優先しなければいけないものではないと思います。それを言わなくても買ってくお客様いるでしょ?

本当にお客様に伝えるべき情報は「ご来店ありがとうございます」という歓迎と感謝の気持ちだと思うんです。

 

www.fashionsnap.com

 

声掛け不要バッグ、バズらせるための施策としか思えないんだけど。

お客様が声掛け不要かどうかなんて、お客様を見てたらわかるっしょ!あとお客様も最初声掛け不要と思ってても商品について聞きたいことがあったら声掛け不要と思わなくなるっしょ!お客様の気持ちなんてコロコロ変わるんだから店側がお客様のポジションを固定しちゃ駄目っしょ!

声掛け不要バッグがあるなら買い物行ってみようかな、って思って実際に行く人がどんだけいるのよ、って話です。

あとねー、販売員の声掛けがしつこいってアンケに書いてあるならスタッフへの教育を見直したらどうよ。それもせずにお客様の声を鵜呑みにしてるだけなら、ここの会社の販売員にはなりたかあねえなあ(暴言)。

UR広報の方がポジティブに受け止めているのって、この話題について取り上げられた回数だけなのでは…?

 

「さまざまな情報内容を、さまざまな手段で、伝え合うこと」

どんなに不器用でも、情報を伝えることが一方的にならないように工夫できることがコミュニケーション能力があるということだと思います。

弊社スタッフにも多いですが、店頭での動的待機の際に「ぃらっしゃいませー、どーぞーぉ、ごらんくださいませーぇ」と虚空に向かってしか言ってない奴、プライベートでどんなに沢山友達がいるとしてもお客様へのコミュニケーション能力が低いです。言い切ります、低いです。お客様を見て、ほどよいタイミングでちょうどいいことを伝えることが出来るのが、コミュニケーション能力が高い販売員です。

 

コミュ障を自覚している人って、周りのことを注意深く見ていますよね。会話するのに難儀するのも、どう言えば失礼にならないかどうか考えちゃって緊張するからです。でもその他者へのナイーブさ、販売職でとても活かせることがあります。

声掛けのパターンをいくつも作って、「こう言われたらこう答える」というフローチャートをいっぱい想定する。失敗したら失敗例としてデータを蓄積しておく。恋愛シミュレーションゲームで親密度を上げるようなものです。自分を失敗から守るために、ではなく、お客様にどう喜んでもらうか、と視座が異なりますが。

 

人が好き、とかあたかも自分がコミュニケーション能力が高い、みたいな志望動機をよく目にしますが、本当に人が好きならもっと慈悲深い人間であれ…!と思うケースが多いです。(だから気軽に書くのやめような。)

人付き合いはちょっと苦手です、というのも正直に履歴書に書くとびっくりしちゃうから書くのはよしといた方がいいと思いますが、そんな人でも接客販売の仕事はできますよ。

年々友人の数が減る自分が保証します。